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花まる学習会代表 高濱正伸氏よりコメントをいただきました

MY FOOTBALL KITの提供にあたり、花まる学習会代表 高濱正伸氏より、以下のコメントを頂戴いたしました。

MY FOOTBALL KITのすばらしさ 教育的観点から

このボールには未来がある。誰でもどこでも作れる。空気入れがいらないので途上国支援に向いている。などなど、すぐに浮かぶのだが、私は、教育の現場に立ち続ける者として一言書きたい。

数学の実力を計算力とイコールだと勘違いすると、痛い目に遭う。まずは、小学校の文章題で大きな壁に当たり、問題文を読み切れない我が子に不安になったり苛立ったりする母親が続出する。それは仕事のように詰めて読み切る精読力という重要な力をつけていなかったことが問題なのだ。

しかし、そんな壁はまだ実は可愛い。本当の算数・数学の壁は、「緻密な論理思考についていけない」「図形問題の補助線が浮かばない」「問題作成者の意図を読み取れない」など、いくつかの深刻な実力の不足によって、決定的な壁に当たる。具体的には、医学を志していたのだが、どうしても数学で遅れを取るようなこととして現れる。

そんな中でも、「立体の感覚」は、差がつく能力、かつ大きくなってからでは伸びにくい能力として、私はとらえている。中学入試から大学入試まで、難関校には立体問題はつきもので、それは「差がつく」から出題されているといってもよいだろう。

では、立体の感覚、立体をとらえる力をどう伸ばせばよいだろうか。

それは、「脳が三次元を生き生きと捉えている遊びと生活経験」の中にあるだろう。あそこに秘密基地を作ろうと意思し想像するとき。そして、それを作り上げていくとき。ダムを造ろう、木登りをしよう、サッカーの中で連続のパスをイメージするとき、隠れん坊で仲間がどこにいるかを思い描くとき…。

家の中でも、キュウリやトマトを切ったりすることは断面図理解につながるし、折り紙や展開図からサイコロを作るなどの手作業も、もちろん力を伸ばす。

さて、MY FOOTBALL KIT。私は、たった3種類の平面パーツから、これだけ立派な球体が出来上がることに感動した。数学を指導するものとして。「これは、子どもの立体の能力、ひいては数学の差がつく力を、大いに伸ばすものだぞ」と。何より、子どもには、遊びとしてしか感じられないことが素晴らしいし、デザインもおしゃれで可愛いいし、作り上げたらどこでも遊べる。雨に濡れても、ビーチで遊んでも平気だ。どれだけ可能性に満ちているだろうと感じた。

このボールが、日本発で、世界の子どもたちの遊びに貢献し、数学力アップに貢献することを願う。

花まる学習会代表 高濱正伸